家を新築したときの登記の手続きは?

建物表題登記を申請することになりますが、お客さまから依頼を受けて、土地家屋調査士が進める一般的な手順は次の通りです。

1. 建築業者から確認申請書と図面を預かります。

2. 法務局で公図・地積測量図・謄本等を調査します。

3. これらの資料をもとに、新築された建物を測量し、敷地の状況や隣接地の状況を調査し、写真も撮影します。

4. 調査測量した結果をもとに、建物図面・各階平面図を作成し、登記のための委任状を作成します。

5. 建築業者から工事完了引渡証明書と印鑑証明書、建築業者が会社であれば会社謄本等をいただきます。

6. お客さまから委任状と住民票をいただきます。
これで登記の申請をする書類が揃いますので、登記申請書と法務局に提出する調査報告書を作成し、建物図面・各階平面図、確認申請書、工事完了引渡証明書、印鑑証明書、会社謄本、住民票、委任状、新築建物の写真も添付して、登記の申請をします。

7. 申請してから登記が完了するまで1週間から10日ほどかかります。これは、申請したときの法務局の繁閑により前後します。必要に応じて、登記官も現地調査を行います。

8. 登記が完了すれば、登記完了証と登記ができた建物謄本等をお渡しし、お預かりした建築確認申請書や住民票はお返しします。

 

建築確認申請通り建てられていることがほとんどですが、設計変更により建物が変わっていることがあります。

建物そのものは変更なくても、建てられる場所がずれていることがあります。
確認申請では床面積に含まれている部分でも、登記上は床面積に含めないことがあります。また、その逆もあります。

建物表題登記は確認申請通り登記をするのではなく、建てられた建物を忠実に反映した登記をするためです。権利の対象となる建物を現地で特定できるようにするのが建物表題登記の目的だからです。

 

土地家屋調査士は、現地を見ないで登記の申請をすることはありません。
日本中どこにある土地、建物でも登記申請の代理はできるのですが、遠方であれば出張旅費をいただくことになります。土地の分筆のように何度も現地に出向かないといけないお仕事は、お引き受けすることは現実問題として難しいでしょうが、建物表題登記であれば、事務所から日帰りできる範囲内なら出張旅費をいただくことはないでしょう。

 

家を新築する場合、通常、建築業者が建築材料を自分で調達して建築することがほとんどだと思われます。このような形で進められる建築の請負契約では、建築業者が施主に家を引き渡すまでは、法律上、建築業者の所有物とされています。
従って、引渡を受けてはじめて施主の所有する家となり、施主の名前で建物表題登記ができるのです。
建築業者の印鑑証明書は、工事完了引渡証明書が間違いなく建築業者が作成した書類であることを証明するためのものであり、会社謄本等は会社を代表する資格のある代表取締役や支配人が工事完了引渡証明書を作成したことを証明するためのものです。